滋味如桃源

電子的高級洗練世相講談

舛添の謎

 東京都の舛添知事(2016614日午前現在)は発言するたびに都民国民の反発を招いているようで、本日にも都議会自民党が不信任案を提出、あるいはその前に辞職するのではないかという話が出ている。

 昨日は都議会総務委員会が開かれ、私もネット中継で部分的に見ていたけれども、自民党の鈴木とかいう都議は冒頭に舛添に対し原稿棒読みをせぬよう言いながら、自身は全編原稿を棒読みしていたという、わけのわからないことをやっていた。「そんな御託は並べなくていいですから」というセリフまで原稿を読んでいるのであって、矛盾というかギャグというか。当然そんな調子では厳しい追求などできるはずもなく、開始早々から某ミヤネ屋でコメンテーターの浅野元宮城県知事などから「手ぬるい」と批判されていた。

 質問者全体を、まあざっと見たぐらいのことだけれど、政治ショーの出演者として光っていたのは公明党の女性議員であろう。テレビでは同議員が最後に発した「舛添知事は辞職すべきです」というフレーズを盛んに使っているのだが、あのセリフが出る前に、福島県への訪問を求めたにもかかわらず美術館の視察ばかりをしているような人間が、(東日本大震災からの)復興五輪を語る資格はない、なので「辞職すべき」と続くのだけれど、そこを使っているテレビ局は見当たらない。キャッチーなフレーズだけ切り出して、前後のやりとりなどどうでもいいのがテレビのやり口なのだ。

 自民党は「報道によると」の繰り返しで、自ら調べたということが全く無かった。共産党は明細書を切り離すことができる領収書を確かめるため、実際に「ホテル三日月」に宿泊してみたそうで、こういうところが大事なのである。政治家スタッフだって調査や取材はできるだろうに、なぜやらせないんだろう。要するに国家の一大事みたいな様子を演じている割には、本気じゃない。自分が妙に頑張らなくても、命をかけなくても何とかなると思っているのではないか。地方議員なんてどうせ、その程度なのではないのか。

 

 それにしても、疑惑に対して舛添が発する反論の稚拙さはどうだろうか。中国服を書道に用いるという話もそう、東京ドームでの野球観戦(ということは読売新聞グループからの利益供与なんだろう)を「来るべき五輪においてプロ野球が正式種目になるかも」と、どうして「プロ」野球が正式種目になるのか、言い間違いとはいえいかにも偶然の思いつきで政治的理由にこじつけるのもそうだし、とにかく適当な理由を見つけて嘘を付いているのが明白なのである。温泉旅館における「会議」についても、恐らくそんなものは開かれてすらないのではないだろうか。

 もうどうせなら百条委員会でも開いて、温泉旅館に一緒に宿泊していた舛添の娘を証人としてみたらどうか。当然口裏合わせをするのであり、もしかしたら少し泣きを入れて世間の同情を狙うぐらいのことはやるかも知れないが、自身の生き残りのために公的な場で自分の子供に嘘をつかせることができるのか、ぜひやってみたらいいんじゃないかと思う。

  公明党の指摘は、「資料」扱いで政治資金で購入し、所有している美術品についての追求なのだが、とにかく舛添の金にまつわるドケチぶりは目に余る。元々こういう人間だったのだろうが、それが政治家となることで一気に加速したのではないだろうか。他の議員が当選回数を重ねることで下積みしていくプロセスを、テレビ出演による知名度というわけのわからないもので飛び越え、厚生大臣だの新党党首だの、しまいには飛び出した自民党から東京都知事になってくれと来たわけで、そりゃ調子にも乗るというものだろう。インテリジェンスというよりつまらない小知恵が働くものだから、政治資金規正法の網をかいくぐり、パンツを買ってもクレヨンしんちゃんを買っても政治資金、と言い張れば通用する。こうなってしまえば誰も止めることができないのだろう。あとは平身低頭する姿を見せて返金します申し訳ございません、給料半分で、と言ってた奴がとうとう、給料はいりません、と言い出した。

 刑務所の懲役だって、中で作業すれば賃金が出るのである。それをカネももらわずに都政のため国家の威信のために働かせてくださいなんて、これは資本主義の否定じゃないか。どんなゴミ野郎の泥棒だって、労働に対しては正当な賃金が支払われるのが当然であり、国家的プロジェクトの体裁やメンツを持ちだして延命を図ろうなどというのは、まさに盗人猛々しいとはこのことであろう。

 

 それにしても考えるのだが、その愚かな言い訳の数々や、自分で金を渡して集めた「元検事という第三者の厳しい目」と称するものについても、そういった権威を強調することによって都民が納得し、理解すると本気で思ったのだろうか。しかもそのヤメ検弁護士というのが、ドリルでハードディスクを破壊することで証拠隠滅をはかった、小渕優子の弁護をした人物というのだから、隠蔽する気満々なのである。

 どこまでも傲慢であり、しかも世間の反応というものが全く読めていない。やることなすこと有権者の反感を増幅させているのであって、こうした一連の動きはどういうブレーンがやっているのかと思いたくなるのだが、つまりブレーンがいないのではないか。自分は頭がいいと思っている舛添が、自分で勝手にやっているだけなのだろう。

 元検事の厳しい第三者の目、と何度も繰り返しておけば、それがテレビニュースで使われて人々の意識に植え付けられ、自分で金を出しおそらく自民党にお膳立てしてもらった飼い犬弁護士を連れて来て、都合のいいような「調査結果」を発表してくれる。しかし現実にはそうはいかなくて、馬鹿なヤメ検はマスコミ記者の質問に逆ギレして食ってかかる始末。印象の悪さといったらない。

 もういくところまでいったのだ。舛添はとっとと辞めた方がいい。そしてもう、二度と政界に復帰するようなことは無理だろう。あとはこれまで貯めこんだ資産で、湯河原の温泉にでも浸かっていればいいのさ。

 

 

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